セミナー概要
たった1グラムの燃料から石油約8トン分のエネルギーを生むとされる「核融合エネルギー」。従来の発電技術より遥かに大きなエネルギーを生み出し、さらに燃料は海水中に豊富な重水素とリチウムで、資源制約も少ないのが特徴です。
また、核融合は二酸化炭素や窒素酸化物を排出せず、環境負荷が低いことに加え、反応によって発生する中性子により装置の一部は放射化するものの、その放射線リスクは百年程度で百万分の一以下に低下し、長期的な影響も小さいとされています。加えて、制御不能に陥るリスクも低く、安全性の面でも優れています。
こうした特性から、核融合は抜本的な技術革新を促す次世代エネルギーとして、世界中で研究開発が急加速しており、2023年のAllied Market Research社の調査によれば、世界の核融合エネルギー市場は2030年に約60兆円、2040年には約118兆円(1ドル=140円換算)とも予想されています。
さらに今年5月には、日本政府が核融合発電の実用化目標を「2050年頃」から「2030年代」へと大幅に前倒しする方針を示しました。産官学連携の取り組みも進展しており、これまで官主導だった開発領域において、民間企業の技術力やスピードがますます求められる局面に入っています。
一方で、実用化に向けた技術的課題としては、高温プラズマの制御、炉材の耐久性、トリチウム燃料の供給体制、エネルギーの効率的な取り出しといった課題もまだ多く残されている状態です。
本講演では、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 副理事・竹永秀信氏をお迎えし、日本の核融合研究の最前線、国際連携、民間参入の動向、そして実用化に向けた現在の課題や今後の展望についてお話いただきます。
今だからこそ、技術に関わるすべての方が把握すべき核融合エネルギーの最前線。
ぜひ周囲の方にも情報共有いただき、ご一緒にご参加ください。
このような方におすすめ
- 核融合発電に関する最新動向に関心のある方
- 次世代エネルギーに関する研究開発や技術開発をご担当されている方
- 核融合発電の実用化に向けた課題や事業機会を把握されたい方
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